在宅医療で光熱費や食費はいくらかかる?

Q.在宅医療を選択した場合、医療費以外にかかってくる費用はどのくらいなのでしょうか?例えば、光熱費などの生活費はどのくらいになるのでしょうか?もちろん容態などによって差があるかと思いますが、平均値データ等ございましたら知りたいです。

 

A.ご質問ありがとうございます。

在宅医療を選択した場合に医療費以外にかかる費用は、以下のものが考えられます。

 

1、光熱費

在宅医療においては、以下のような医療機器を自宅で使用する場合があります。

・吸引装置…患者さんの痰を吸引する機械です。
・酸素濃縮機…部屋の空気から酸素を濃縮する機械です。「在宅酸素療法」で使われます。
・人工呼吸器…患者さんの呼吸を手助けする機械です。
・人工栄養のポンプ…高カロリー点滴や胃瘻(ろう)などの管での栄養で使用することがあります。

最も電気代がかかるのが酸素濃縮機を使用する場合で、酸素の量にもよりますが、月に1000円〜3000円程の電気代となります。その他の機械は、電球一個分ほどの電気代しかかかりません。自宅での透析などの特殊な場合に関しては、専門機関にお問い合わせください。

また、在宅医療を受ける患者さんは体力が低下していることが多く、温度調節や湿度調節に気を配る必要があります。季節や地域、住宅環境によってはエアコンや加湿器、空気清浄機などを使用する場合がありますので、それらの電気代がかかります。

 

2、食費

通常の食事が取れる場合には一般的な食事代のみですが、以下の場合には費用がかかります。

①胃瘻などの経管栄養の場合

ご本人の食事となる栄養剤の費用がかかります。栄養剤も医療保険が効くもの(医薬品扱いのもの:エンシュア、ラコールなど)と医療保険が効かないもの(通常の食品扱い:メイバランス、F2ショットなど)があります。使う量にもよりますが、医薬品扱いのものであれば、1割負担で月に1500円〜2000円ほどです。

 

②飲み込む力が落ちた時、栄養状態が悪くなった時、褥瘡ができた時

体力が落ちて飲み込む力が弱くなると、通常の量を食べると食事をむせて肺炎になることがあり、それを防ぐために飲み込みやすいゼリー状の栄養剤を使うことがあります。また、褥瘡ができた場合には早く治すために亜鉛やアルギニン酸などの栄養素を補強することもあります。これら効率的に栄養を取るための栄養補助品を使用する場合には、月に3000円〜5000円程度が必要になることがあります。

 

3、衛生用品

紙オムツやお尻ふきなどの費用ですが、意外に高額になることもあります。紙オムツに関しては、介護度や自治体によって給付を受けることが出来る場合がありますので、担当のケアマネジャー、市町村の保健福祉課、地域包括支援センターなどに相談してみましょう。

 

4、介護保険サービス利用料

高齢者の方が在宅医療を受けられる場合、ほとんどの場合は介護保険の対象となると思われます。この場合、利用される介護サービスによって介護保険の自己負担が発生します。介護保険の自己負担額に関しては、介護度や介護負担割合によっても異なります。

支給限度額 自己負担(1割) 自己負担(2割)
要支援1 50,030円 5,003円 10,006円
要支援2 104,730円 10,473円 20,946円
要介護1 166,920円 16,692円 33,384円
要介護2 196,160円 19,616円 39,232円
要介護3 269,310円 26,931円 53,862円
要介護4 308,060円 30,806円 61,612円
要介護5 360,650円 36,065円 72,130円

 

介護サービスの料金は単位数で決められていて、上記は1単位10円での値段です。お住まいの地域によっても多少の違いがありますので、詳しくはケアマネジャーさんにお尋ねください。

 

 

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内田 直樹

内田 直樹

院長(精神科医)たろうクリニック
福岡大学病院精神神経科医局長、外来医長を経て2015年4月より現職。認知症の診断や対応、介護家族のケアなど在宅医療において精神科医が果たす役割が大きいことを実感。また、多くの看取りを経験する中で、人生の最終段階について事前に話し合う重要性を感じている。

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